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食べログの口コミは削除可能?
店側ができること・できないこと

食べログに悪い口コミが投稿されると、飲食店にとっては大ダメージ。
特に事実無根な悪評や、過剰に誇張されたクレームは集客に大きな影響を及ぼします。
そういった場合、食べログに削除依頼を行いますが、依頼を受けて削除するかどうかは運営側の判断次第となります。

今回は、食べログの口コミの削除依頼をする方法や、削除依頼におすすめの文例をご紹介します。

「食べログ」の口コミトラブルとは

食べログとは、ユーザーが飲食店の食事・サービス・料金などについて★の数で評価をつけ、コメントとともに投稿する口コミサイトです。
まずは、食べログの口コミがなぜ重視され、なぜトラブルに発展するのかを解説していきます。

高い影響力を持つ食べログの口コミ

飲食店を選ぶ時、食べログをはじめとした口コミサイトを利用する人は非常に多いです。

食べログの口コミの影響力は非常に大きく、総合点数が「3.5」を超えるのと超えないのとでは、集客にはっきりと差が出ます。
もし悪い口コミがあれば、それが売上に直結するのも当然です。

よくある悪い口コミのケース

よくある悪い口コミは、大きく分けて3タイプです。

・サービス・商品への不満
・トラブル
・誹謗中傷

このうち、もっとも削除してもらいやすいのは、内容が事実無根であったり、明らかにひどい言葉遣いをしたりしている「誹謗中傷」。
サービス・商品への不満や、店員の態度・料金ミス・食中毒といったトラブルに関する口コミを削除できるかどうかは、事実の有無や表現方法によってケースバイケースです。

食べログの口コミは店側の意志で削除可能?

食べログの口コミは、店側の意思で削除できる場合と、そうでない場合があります。
どんなケースであれば口コミの削除ができるのか、具体例を見ていきましょう。

ガイドライン違反であれば削除できる

食べログのガイドラインでは、「具体的な食事内容について書く」「関係ない事柄の記述は控える」など様々な口コミの書き方を定めています。
その中で、はっきり「禁止」と明記されているのは以下のような内容の口コミです。

・個人への誹謗中傷、店舗への断定的批判、及び不適切な表現
・法令に反する行為や犯罪行為等に結びつく口コミ
・対価を目的とした口コミ
出典:http://user-help.tabelog.com/review_guide/

これらの具体的な例を挙げると、
・「○○人だから接客のレベルが低いのは仕方がない」など差別的な内容
・「こんなマズい店に行く価値はない」など断定的かつ否定的な内容
・「○○という店員の態度が最悪だった」など個人を中傷する内容
・「店員に怒鳴りつけられた」など事実確認が難しく、店側に悪影響を与える内容
・「つぶれてほしい 金返せ」など不適切な表現
・「店主は高齢なので食い逃げしてもバレない」など犯罪に繋がる内容
・「星5つの口コミを投稿するとクーポンがもらえる」など対価を目的とした口コミ

また、「プライバシーや著作権等の侵害」「内容の確認が困難な口コミ」「個人的なクレームやトラブル」などについても、「ご配慮ください」「ご遠慮ください」という表現でやんわりと禁止されています。

これらのガイドラインに違反している口コミであれば、店側が削除依頼を行うことで削除できる可能性があります。

削除されないケースとは

店側に悪影響を与える口コミであっても、ガイドラインに違反していない範囲のものだと削除は難しいです。

具体的には、投稿者の主観的な感想や、言葉遣いが不適切でなく「誹謗中傷」と言い難いものは、明らかなガイドライン違反とは言えません。
例えば、「個人的には、もう来ないかな」「口に合いませんでした」などの表現は、削除依頼をしても受理されない可能性があります。

ページごとの削除は難しい

口コミに振り回されるのが煩わしいので、食べログの店舗ページごと削除したいという飲食店経営者もいます。

しかし、一度作成された食べログのページは、削除するのは難しいです。
なぜなら、店舗側がプロバイダーに削除請求できるのは「権利侵害情報」のみとプロバイダー責任制限法で定められているためです。
権利侵害とは、「名誉毀損」「プライバシーの侵害」「著作権の侵害」「商標権の侵害」などのことで、食べログに掲載された店舗情報や、ガイドライン違反でない口コミはこれに相当しないためです。

実際に、2013年にはある飲食店経営者が食べログの店舗情報の削除を求めて訴訟を起こしましたが、最高裁で棄却されています。

参考:
https://www.sankei.com/affairs/news/160602/afr1606020047-n1.html

食べログの削除依頼の方法

それでは、食べログに削除依頼をする方法を詳しく見ていきましょう。

削除は問い合わせフォームから

食べログへの削除依頼は、食べログの「お問い合わせフォーム」から行います。

・タイトル
・メールアドレス
・お問い合わせ内容

の3つの項目があるので、それぞれ必要事項を記入しましょう。
口コミを削除してほしい旨を伝えられれば決まった文面はありませんが、例文は以下のようになります。

「タイトル:問題のある口コミ報告
お問い合わせ内容:
お世話になります。
株式会社○○ △△レストラン 店長××と申します。
根拠のない誹謗中傷が書かれている口コミの削除をお願いします。

URL:https://tabelog.com/…
2020/1月訪問のID:……さんの口コミ5行目に「ぼったくりの店」と書かれています。
しかしそのような事実はありません。

この内容は削除ガイドラインの「決めつけ」「事実とは異なる内容」「明らかな誹謗中傷行為」に違反しています。
以上、削除対応のほど、宜しくお願いいたします。」

URL、違反箇所を明確に

上記の例文のポイントは、削除したい口コミのURLと、ガイドラインに違反している箇所を明確に記載していることです。
曖昧な説明で確認に手間取ると、なかなか削除依頼が通らないこともあるため気をつけましょう。

自分が書いた口コミを削除したい場合は?

食べログでは、自分が書いた口コミも、自分で自由に削除することはできません。
また、食べログを退会したとしても、一度投稿した口コミが消えることはありません。

自分が書いた口コミを削除したい場合も、店側が削除依頼をする場合と同様に「お問い合わせフォーム」から削除依頼を行います。

食べログの口コミが削除できなかったときは?

食べログの口コミが削除できなかった場合には、削除依頼などネットの誹謗中傷に強みを持つ弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士は、法の専門知識を活かして削除依頼のサポートを行います。
特に悪質な口コミの場合は、食べログの運営に報告する以外に、口コミの投稿者を情報開示請求で特定、内容証明を送るなどして削除を要請することも可能です。
削除できるかどうか自分では判断できない場合も、まずは弁護士に相談するのが良いでしょう。

食べログ上の悪い口コミを防ぐ方法

食べログで口コミを削除してもらうのは難しいので、まずは悪い口コミが発生しないよう対策するのが一番です。
従業員教育の徹底や、店舗の経営改善などを行い、評判を下げる口コミが出ないようにしましょう。

また、根拠のない悪い口コミを長く掲載していると、先入観から他の悪い口コミを呼びかねません。
情報開示請求を行う場合も、IPアドレスの保存期間は3~6ヶ月と短いため、誹謗中傷にはすぐ削除依頼を出しましょう。

まとめ

食べログの削除要請は、お問い合わせフォームから行うことができます。
手続き自体は簡単ですが、食べログのガイドラインに違反するかどうかの判断は運営側が行うため、削除依頼が受理されない場合もあります。
運営に依頼しても削除できなかった場合には、専門知識を持つ弁護士への相談がおすすめです。

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