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Wikipediaを削除するには?
基準と削除方法を解説

Wikipediaは誰でも編集できるインターネット百科事典。情報の信頼性は高くありませんが、今や使ったことがない人はいないほど、広く知られているサービスです。

今回は、Wikipediaにプライバシー情報や悪意のある記述が掲載されてしまった場合の対処方法をご紹介いたします。
Wikipediaの削除方針や、削除依頼の詳しい手順について知っていきましょう。

Wikipediaとは

Wikipediaとは、ウィキペディア財団が運営しているインターネット百科事典です。
誰でも編集することができるのが最大の特徴で、様々な人の知見を得ることができる反面、情報の信頼性は低いです。

しかし、物事の意味や仕組みを知りたい時に気軽に参照できるので、利用者数は膨大です。
そのため、Wikipediaに誤った情報が掲載されると、それが世の中の常識のように広まってしまい、収集がつかなくなるケースもあります。

Wikipediaで削除対象になるもの・ならないもの

Wikipediaは誰でも編集することができるので、間違った情報が掲載されて削除や修正をしたいと思ったら、自分で文章を上書きすることも可能です。

しかし、何度も間違った情報を書き込まれてしまう、ページ自体の削除をしたいといった場合には、Wikipediaに削除依頼を申し入れることになります。

削除対象になるもの

Wikipediaは掲載内容の自由度が高いので、削除のハードルは高いです。
ただし、以下でご紹介する内容を含むと証明できれば、削除対象となります。

法的な問題がある

日本語版Wikipediaは、日本国内法・アメリカ合衆国法・GFDLとクリエイティブ・コモンズCC-BY-SA3.0のデュアルライセンスの3つを満たす必要があります。
Wikipediaの掲載内容が抵触しやすい法律は、以下のものがあります。

・著作権侵害
・肖像権侵害
・商標権侵害
・プライバシー侵害
・名誉毀損罪
・侮辱罪
・信用毀損罪
など

掲載された画像や文章の出典が不明なもの、画像に写っている人物の承諾がないものなどは、著作権・肖像権の侵害となる場合があります。
また、商標登録された企業のロゴ、キャラクターの画像などが無断使用されていた場合は、商標権侵害となります。

特定の個人の情報(住所・電話番号など)が書かれている記事に関しては、プライバシー侵害。
個人や企業に対し、名誉を傷つけたり侮辱したりする内容が記載された場合は、名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪等が成立するとして刑事告訴することも可能です。

百科事典的でない

権利侵害をしていなくても、百科事典的でない記事全般は削除対象です。
例として、以下のような内容が挙げられます。

・個人的なページ
・独自の研究結果の発表
・百科事典的な記事に成長する見込みのないもの
・百科事典に記載するほどの著名性・特筆性のない記事
・広告またはスパム
など

その他の場合

その他、すでに類似した記事があり重複となる記事や、他言語からの翻訳で日本語として不自然な記事も削除・移動などの対象となります。
また、上記いずれにも当てはまらない場合であっても、問題があることとその理由を報告すれば削除対象となる可能性があります。

削除対象にならないもの

掲載された情報が間違っている、問題があると感じられても、削除対象にはならない可能性もあります。
こういった情報は、編集によって修正したり、記事の質を向上させたりすることができます。

記事に間違いがある

記事の内容に間違いがあるだけでは、記事自体が削除対象にはなりません。
先にお伝えしたように、誰でも自由に修正することが可能なためです。

ただし、間違いを見つけて、正しい内容に書き換える場合には、信頼できる出典が必要です。
間違っていることは確実なものの、自分では正確な情報は提供できないという場合は、「加筆依頼」のページに掲載することもできます。
また、記事の内容ではなくタイトルが間違っている場合も、修正で対応できます。

主題・論調に問題がある

主題や論調に問題があり、中立性を欠いていたり表現が拙かったりしていても、削除対象ではありません。
この場合も、文章を編集することで対応できます。

その他の場合

その他、問題があると考えられ、削除依頼を行っても、審議や投票で削除対象ではないと判断されれば削除されることはありません。

削除のハードルは高い

Wikipediaは記載内容の自由度が非常に高いのが特徴です。
Wikipediaのポリシーやガイドライン自体も、ユーザー同士の議論と合意によって決められます。
何が削除対象に該当するかの基準はとても曖昧で、明らかに法律違反や権利の侵害をしているものしか即時削除にはなりません。

しかし、繰り返しになりますが編集や修正は誰でもできるので、問題があると感じる記述に対策する方法は他のメディアより簡単です。

Wikipediaの記事を削除する方法

それでは、Wikipediaに削除依頼をする方法を解説していきます。

運営に削除を依頼する

Wikipediaの記事を削除するには、まず運営に削除依頼を行います。

削除の流れ

削除依頼は、Wikipediaの「削除依頼」ページから行います。
Wikipediaで記事を削除する流れは、以下の通りです。

1.削除したい記事を「削除依頼の手順」に則って編集
2.「Wikipedia:削除依頼」に掲載
3.ユーザーによる審議
4.投票
5.終了判定

Wikipediaで削除依頼を出すには、まず該当の記事が権利侵害している部分を除去したり、依頼用のテンプレートを貼り付けたりといった記事編集が必要です。
詳しい手順や、必要なテンプレートは「Wikipedia:削除依頼」のページに掲載されています。

編集後、「Wikipedia:削除依頼」に掲載することで、提出が完了します。
削除依頼が提出されると、Wikipediaユーザーによる審議・投票が行われます。
投票に参加できるのは、公平性を保つため編集回数が50回以上のユーザーと定められています。

審議と投票が終わると、管理者・削除者が終了判定を行い、削除するかどうか判断します。

審議なしで即時削除の場合も

Wikipediaには、「即時削除」というシステムがあります。
この即時削除の方針に合致することが明らかな場合、審議や投票というプロセスを経ず、すぐに記事が削除されます。

即時削除になるのは、以下のような記事です。
・内容が全く意味を持たない
・投稿テストと思われるもの
・荒らしに分類される投稿
・宣伝・広告が目的であるページ
・すでに削除された記事の再投稿
・著作権侵害が明白であると判断されるもの

上記に当てはまらなくても、重要な個人情報が公開されているなど緊急性が高い場合は「緊急削除」を依頼することも可能です。
緊急削除を依頼する場合は、通常の削除依頼の手順で記事編集時に、「Category:緊急案件」というタグをつけます。

弁護士に削除を依頼する

Wikipediaの削除依頼は、ユーザーの審議と投票によって決定するため、確実性は高くありません。
確実に削除を遂行したい場合や、削除依頼が通らなかった場合には、ネット上の権利侵害を専門とする弁護士に相談しましょう。

Wikipediaの投稿者特定は可能?

特定の人物に対する名誉毀損や侮辱といった、権利侵害性が認められる記事の内容については、投稿者の特定を行うことができる場合があります。
Wikipediaは、ユーザー登録をしていない者が記事の投稿・編集を行った場合、投稿日時とIPアドレスが、各記事の「履歴表示」内に表示されるという特徴を有しています。
そのため、上記の場所に記載されたIPアドレスをもとに経由プロバイダを割り出し、発信者情報開示請求を行うことが可能な場合があります。

ユーザー登録をしている者については、発信者情報開示請求の一般的な手法どおり、ウィキメディア財団に対してIPアドレスの開示請求を行うこととなります。

まとめ

Wikipediaはユーザーの合意によってルールが作られているため、削除の基準は曖昧です。
削除依頼が出された場合は、運営ではなくユーザーが審議・投票を行うシステムも特徴となっています。

編集は誰でもできるので、問題のある内容を書き換えるのは簡単です。
しかし、嫌がらせを繰り返される場合や削除依頼が通らない場合には、ネット上のトラブル対策ノウハウを持つ弁護士に相談しましょう。

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