Column

「e戸建て」への投稿を削除したい!
削除基準&削除依頼の方法を解説

「e戸建て」は、一戸建ての建築や購入に関する情報交換ができる掲示板です。
会員登録不要・匿名での投稿ができるので率直な意見が見られますが、中には根拠のない風評や誹謗中傷にもあたるの書き込みも。

今回は、e戸建てで誹謗中傷被害を受けた場合の対処方法をお伝えします。
投稿者を特定して法的措置を取りたい場合の手続き方法や費用相場も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

e戸建てとは

e戸建ては、一戸建ての購入に関する情報交換ができる掲示板形式のサイトです。
注文住宅の施工業者の評判や口コミを中心として、家づくりについての様々な相談を書き込むことができます。

投稿を行っているのは、注文住宅を検討している人や、過去に注文住宅を建てた経験がある人が中心ですが、書き込みの際に会員登録等は必要ありません。
そのため、実際にはどの立場から投稿を行っているかは不確定です。

e戸建てで見られる風評被害

e戸建てで見られる風評被害は、建設会社に対するものがほとんどです。
「施工が雑」「価格が高い」「住み心地が悪い」など、実際にその建設会社を利用した・検討したという立場で、不満を述べるものが多くなっています。

ただ、先にもお伝えしたようにe戸建ては会員登録不要の匿名掲示板なので、書き込みの内容がどこまで真実なのかはわかりません。
しかし、注文住宅を建てるのはほとんどの人にとって一生に一度のことなので、経験者の声を参考にしたいユーザーは多いです。
信憑性の低い情報であっても悪い評判がある会社は避けたいと考える人が多く、会社にとっては受注の低下など業績悪化に繋がります。

e戸建ての投稿の削除方法

それでは、e戸建てで誹謗中傷被害を受けた場合、削除する方法をお伝えします。

削除基準

e戸建てを運営しているミクル株式会社は、投稿の削除基準を以下のように定めています。

・当サイトに参加されておられる方が不快に感じられると判断するもの
・マンションの関係者であろうことや特定の投稿者を攻撃するもの
・2ちゃんねるでのやり取りを連想させるような表現、投稿内容
・ただの相づちだけで内容が無いもの
・個人、又は団体の名誉を著しく毀損しているもの
・倫理的観点から問題があるもの
・当サイト及び他の企業もしくは第三者に不利益を及ぼすもの
・当サイトの競合となる同等のサイトへのリンクがあるもの
・公序良俗に反しているもの
・著作権等知的所有権の侵害になるもの
・投稿の内容が、事実と著しく異なると判断できるもの
・故意・過失に問わず、各種法令に違反しているもの
・スレッドの内容と無関係な内容であると判断するもの
・スレッドが荒れてしまうと判断するもの
・「無料で広告できます板」以外での営業行為と判断されるもの
・物件購入の意志を妨げようとする悪意あるもの
・他の物件を批判するもの
・その他当サイトの方針に反するもの
・自作自演の可能性があるもの
・弊社または、管理人およびその代理に対しての公開質問または回答要求を添えた書き込み
・弊社または、管理人およびその代理との私信の公開
・レスに対して販売及び建設関係者であることを指摘するもの

出典:利用規約

誹謗中傷にあたる書き込みが上記のいずれかに該当する場合は、各投稿ごとに設けられた削除依頼フォームから依頼することで削除できる可能性があります。

投稿が利用規約違反の場合

上の項目でお伝えした「投稿削除基準」に違反する書き込みは、利用規約違反なので運営への通報によって削除が可能です。

例えば、以下のような書き込みは利用規約違反に該当すると考えられます。

・○○建設はぼったくり
・○○建設は粗悪な部材を使っている
・○○建設はノルマがきついので営業がしつこい
・絶対にここで建てないほうがいい
・この会社を褒めている人はバカ
など

e戸建ての投稿削除基準は解釈の幅が広いので、建設会社や他のユーザーを中傷する書き込みはかなりの割合で利用規約違反と見なされる可能性があります。

こういった書き込みは、削除依頼フォームから①氏名、②削除を求める理由、③立場、④削除依頼の詳細を入力して送信すれば、運営に通報できます。
そして、その通報を元に運営が利用規約違反と判断した場合、その書き込み全体、または問題のある部分が削除されます。

投稿が違法である場合

e戸建てに書き込まれた内容が、特定の人や会社の社会的評価を低下させる場合、規約違反だけではなく法律違反として責任を追及することができます。

具体的には、以下のような書き込みは違法です。

・建設会社が法律違反(リコール隠し・横領など)を行っているという虚偽の書き込み(名誉毀損罪・信用毀損罪)
・建設会社社員や周辺住民などの住所や個人名を記載した書き込み(プライバシー権の侵害)
・建設会社の仕事を妨げたり、業績を低下させる書き込み(業務妨害罪)

これらの書き込みは、e戸建ての規約違反にも該当するので削除依頼もできますが、投稿者を特定して訴訟や損害賠償請求を行えることもあります。

それでも削除されなかったら

e戸建ての規約違反に該当するかどうかは、運営会社であるミクル株式会社が独自に判断します。

そのため、削除依頼を出しても運営が「違反ではない」と判断した場合、書き込みは削除されません。
その場合は、裁判所を通じて「仮処分の申立て」を行うことで、より強制力の高い削除依頼(送信防止措置)が可能です。

e戸建へ投稿した人の特定は可能?

結論から言うと、e戸建てに誹謗中傷の書き込みをした投稿者を特定することは可能です。
ただし、被害者が個人で特定するのは難しいため、弁護士に依頼するのがおすすめです。

特定の手順

e戸建ての投稿者は、書き込みを行った際の「IPアドレス」から特定することが可能です。

1.サイト運営に投稿者にIPアドレスを開示請求
2.(開示されなかった場合)仮処分命令や訴訟でIPアドレスを開示請求
3.IPアドレスからプロバイダを特定
4.プロバイダに、そのIPアドレスが付与されたユーザーの個人情報を開示請求
5.個人の名前や住所を特定

誹謗中傷の投稿者を特定するには、「IPアドレス」と「個人情報」の2段階に分けて開示請求を行います。

ただし、個人情報保護の観点から、サイト運営やプロバイダはIPアドレスの履歴を長くは保存していません。
会社によりますが、保存期間は3〜6ヶ月ほどなので、その期間中に投稿者の特定を終える必要があります。

特定にかかる費用と日数

開示請求で相手を特定をするのにかかる費用について、個人で行う場合、裁判所への手数料がかかります。
弁護士に依頼する場合、報酬の目安は以下のようになっています。

任意開示請求:手数料5〜10万円
仮処分命令申立:手数料20~30万円
発信者情報開示請求訴訟:手数料20〜30万円

また、開示請求にかかる時間は、全工程で半年〜1年ほどです。
サイト管理者に対する仮処分命令は1〜1.5ヶ月ほどでできますが、プロバイダへの発信者情報開示請求訴訟は審理が2〜3回あるため時間がかかります。

弁護士への相談がおすすめ

誹謗中傷をした投稿者の特定は、個人で行うことも不可能ではありません。

しかし、投稿者を特定する目的は、訴訟や損害賠償請求といった法的措置のはず。
結果的に法的措置を取る場合には、最初から法律の専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談することで手続きがスムーズに進み、被害者にとって最も良い形で誹謗中傷を解決することができます。

まとめ

注文住宅には大きな費用がかかるので、e戸建てでの評判を参考にするユーザーは多いです。

しかし、匿名で無責任な書き込みも可能なため、風評や誹謗中傷被害も少なくありません。
e戸建てで誹謗中傷被害を受けた場合には、運営への削除依頼か弁護士への相談によって解決することができます。

関連記事一覧