ツイッターの削除依頼方法を解説!削除されない時はどうする?
ツイッターで誹謗中傷などの権利侵害を受けた場合、削除依頼を出すことで投稿などを削除してもらうことができる場合があります。
しかし、ツイッターは自由な意見交換の場であるため、削除依頼をすればどんなツイートでも削除できるわけではありません。
ツイッターのルールに反していない場合は削除が難しく、裁判手続きで削除請求をする必要も出てきます。
今回は、ツイッターでツイートの削除依頼をする方法と、削除依頼が認められなかった場合の対策について解説していきます。
削除依頼に関するツイッター社の方針
ツイッター社がユーザーのツイートを削除したり、アカウントを停止したりするかどうかは、同社の方針に基づいて決められています。
まずは、ツイッターではどういった内容の投稿やアカウントが禁じられているのかを見ていきましょう。
禁止されているツイート
ツイッターのルールでは、以下のような内容を含むツイートが禁止されています。
・個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫・暴力を賛美すること
・テロ行為または暴力的過激主義をほのめかすこと
・児童の性的搾取
・特定の人物を標的とした嫌がらせ
・ヘイト行為
・自殺や自傷行為の助長や扇動
・暴力描写、性的コンテンツ
・違法な商品・サービス、規制対象商品の販売・購入・取引
・他の利用者の個人情報
・本人の同意を得ずに撮影または配布された、私的な画像や動画
・情報を人為的に拡散または隠蔽すること
・選挙の操作や妨害
・なりすまし行為
・合成または操作されたメディア
・知的財産権の侵害
出典:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/twitter-rules
具体例を挙げるとキリがありませんし、主観が含まれる項目もあるため基準が曖昧です。
しかし、削除したいツイートに上記のいずれかに含まれると考えられれば、削除対象となる可能性があります。
アカウントが停止になることも
ツイッターでは、不審な挙動をしていたり、他のユーザーに不快感を与えていたりするアカウントを停止することがあります。
・スパム行為や明らかな偽装
・アカウントが乗っ取られたりハッキングされたりした疑いがある
・嫌がらせについてのTwitterルールに抵触している
アカウントが停止されると、アカウント作成者・他のユーザーともに全てのツイートとタイムラインが見えなくなります。
ツイッターで投稿の削除依頼をする方法
それでは、ツイッターで削除依頼をする方法について解説していきます。
問題点を明らかにし、証拠を保存する
まず、当該ツイートがどのTwitterルールに違反しているかを確認し、問題点を明らかにしましょう。
それから、証拠を残しておくためにスクリーンショットを撮るなどしておきます。その際、投稿記事のURLが確認できる方法で証拠を保存することが重要です。
ツイッター社へ削除を依頼する
次に、削除依頼をしましょう。
裁判所を通さない場合、運営元であるツイッター社に削除依頼をするのが、確実かつ安全です。
削除依頼は、ツイッターヘルプセンターの「お問い合わせ」ページから行うことができます。
報告内容には様々なものがありますが、ここでは仮に誹謗中傷を受けたケースについてご紹介いたします。
以下はツイッターで削除依頼を行う手順の一例です。
1.お問い合わせ画面から「攻撃的な行為やセンシティブなコンテンツを報告したい」を選択
2.内容について「嫌がらせや攻撃的な行為を報告したい」を選択
3.「問題の詳細」に誹謗中傷の内容と、どのTwitterルールに違反しているかを記入
4.メールアドレスと本名フルネームの署名
5.送信して完了
なお、ツイートをした本人にDMなどで連絡を取れる状態であれば、本人に削除依頼をするという方法もあります。
しかし、相手によっては、逆上したりエスカレートしてしまったりする可能性もありますので、この方法の選択をするには慎重を期す必要があります。
削除にかかる期間
ツイートの削除にかかる期間は、明確に決められているわけではありませんが、数日から1か月弱の範囲内であることが多いようです。
ツイッターの削除依頼に応じられなかった場合は
ツイッター社に報告を行っても、そのツイートが削除されないこともあります。
そういった場合は、裁判所に申し立てを行って削除請求をすることになります。
ツイートの問題点を再確認する
ツイッター社に報告しても削除されなかったということは、ツイッター社はそのツイートがルールに違反していないと判断したということです。
もう一度ツイートの内容を読み返して、何が問題なのかを再確認してみましょう。
裁判所へ申し立てる
裁判手続きでツイートの削除を求める場合、仮処分命令申立てを行うことになります。
仮処分命令申立ては、通常、自身の住所地を管轄する地方裁判所で行うことができます。
例えば、東京地方裁判所に仮処分命令申立てをすると、以下のような流れで進んでいきます。
1.債権者面接:申立てから数日以内に実施される申立人の言い分を聞くための面接
2.呼出:Twitter, Incを米国から呼び出す手続き
3.双方審尋:呼出しから概ね2~3週間に実施される双方の主張や反論を聞く手続き(1,2週間おきに複数回実施されることもあります)
4.発令:削除が認められる場合、裁判所から決定書を各当事者の代理人に郵送
5.削除:決定書が郵送された後に削除
ただし、この削除仮処分には1つ注意点があります。
削除といっても完全にツイートが消えるわけではなく、「日本から見えなくしているだけ」という場合もあることです。
さらに、グーグルのクローラーは米国籍なので日本から見ていることにはならず、そういったツイートも表示されます。
こういったケースを避けるためには、ツイート単体の削除請求だけではなく、検索結果の削除請求を行う必要がある場合もあります。
削除依頼の相談は弁護士がおすすめ
ツイッター社に削除依頼をしても通らなかったツイートの削除は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
ツイッター社に削除依頼をしても削除されないということは、専門知識のない人がツイッターのルールに違反していることを証明するのは難しいということです。
法知識が豊富な弁護士に依頼をすることで、削除が正当である根拠を強化することができ、削除依頼が通る可能性が高くなります。
仮処分命令申立ては裁判手続きなので、手続きが複雑で手間がかかります。
また、ツイッター社側の代理人は当然弁護士なので、法知識がないと主張が通らない可能性が高いです。
弁護士に削除依頼を任せることで、手間のかかる手続きを一任でき、交渉も任せることができます。
弁護士にツイートの削除を依頼する費用は、弁護士にもよりますが、概ねの目安としては、裁判所を通さない任意請求の場合は5~20万円程度、仮処分命令申立て等裁判所を通す場合で40万円前後です。
ツイッターで投稿者を特定する方法
ツイートを削除するだけではなく、ツイートの投稿者に損害賠償請求などをしたい場合は、発信者情報開示請求を行って投稿者を特定する必要があります。
発信者情報開示請求の相手先は、アメリカの「Twitter Inc」です。
Twitterへの発信者情報開示請求は東京地方裁判所を通して行い、請求が認められると投稿者のIPアドレスとプロバイダ情報が入手できます。
そこから、さらにアクセスプロバイダに開示請求を行うことで、投稿者の名前や住所といった個人情報がわかります。
まとめ
ツイッターの削除依頼は、まずツイッター社のお問い合わせページから行いましょう。
その手続きで削除されなかった場合、弁護士の手を借りて交渉や裁判で削除請求を行うことになります。
通常の削除依頼で削除できなかったツイートは削除のハードルが高いので、法の専門知識がある弁護士に依頼するのがおすすめです。